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?中国市場の「ブランドの戦い」に「日本の常識」で勝てるのか
北京に住んでいると日本のテレビ番組はNHKぐらいしか見ることができません。家族帯同で駐在している人たちはインターネットテレビを契約して日本の民放も視聴しているようですが、私のような単身赴任でかつグローバルな仕事をしている者にはBBC、CNN、CNBCなどの国際放送とCCTVなどの中国国内放送に加えてNHKがあれば十分ですという訳でNHKを見る機会が多くなるのですが、先ごろ中国企業をオーナーに迎えた日本の大手消費財企業の中国市場進出を追ったドキュメンタリーが放送されていました。ご覧になった方も多いと思います。たまたま見たその番組は歯軋りするような内容で一杯でした。もちろん番組として成立させるための少々誇張されたストーリー展開だったのでしょうが、それにしても改めて「日本の常識は世界の非!
常識、世界の常識は日本の非常識」がこれほどまでに当てはまるものかと感じ入りました一端を紹介すると、この日本企業は日本で構築したブランドを活用して中国の大都市部をターゲットに店舗展開を考えます。しかし、日本人のチームが日本で通用した戦略(それもかつて通用していた戦略です。今も通用していれば中国企業に経営を押さえられたりしません)を基に進める流通や商品戦略は、ほとんど成功しません。一方、オーナーに迎えた中国人企業家は、新たに買収したオーストラリア企業をビジネスジェットに乗って頻繁に訪れるようなグローバルスタイル。ネイティブレベルの英語を操る自分の娘に日本チームの監督を任せます(お嬢さんはおそらくアメリカで教育を受けています。最も信頼できる自分の家族を海外�!
��適切にトレーニングして経営陣に加えるのは!
中国�
�起業家によくある発想です)日本の常識では、自社ブランドを大切にまずは東京などの大都市の一流百貨店に出店して、イメージを高めてから全国展開していたそうですが、かの日本人チームが北京中心部に新規開店する百貨店と交渉してもうまくいきません。それはそうでしょう。こちらでビジネスをやったことのある人なら皆知っていると思いますが、著名百貨店にテナントとして入りたい中国や海外のブランドは何百と列を成して待っています。かれらは頻繁に百貨店トップと食事をし、ゴルフをし、信頼関係を作った後にようやく少しずつビジネスの話ができるようになるのであって、いきなりビジネスプレゼンテーションを行なうという作法はありませんまた、中国の地方都市は単なるローカル都市ではありません。私は�!
��々中国はヨーロッパのようなものだと言っています。北京、上海、広州、天津、重慶、成都、シンセンなどの大都市は一つの国のようなものです。それぞれ巨大な人口と経済規模を持ち、言葉も文化も食事も相当違います。ですから中国の中心地=北京や上海、ではないのです。ユニクロがこの8月から9月にかけて山東省の省都済南(ジーナン)に一気に2店舗出店しました。このように地方の大都市を網羅していくのが中国B2Cビジネスの基本です(ユニクロの中国市場進出計画ではこの10年で1000店舗出店となっています。2000年から海外展開を志しイギリスやアメリカで数々の失敗を経験しながらグローバルでの戦い方を学んできたユニクロは日本の期待の星です。また稿を改めて紹介します)NHKの番組に話を戻すと、この中国人オ�!
��ナー父娘は経営権を得た日本企業のブランド!
店舗�
�中国の地方都市から展開していくことを決めて実行していきます。これが中国市場での戦い方の常道なのです客観的に見て、中国市場で文句なく成功を収めていると思われる日本企業は意外なほど少ないのです。少なくとも現時点でビジネスとブランド作りで明らかに成功しているのは、キヤノン、資生堂、日産くらいではないでしょうか。もちろんトヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニックなども定着はしていますが、中国では他のグローバル市場ほどには力を発揮できていないように思います。一方、アップル、コカコーラ、ペプシコーラ、スターバックス、ナイキ、GM、GEなど綺羅星のごとく輝くアメリカブランド。サムスン、LG、現代、KIAなどの韓国ブランド、フォルクスワーゲン、アウディ、ルイ?ヴィトン、グッチ、IKEA、ノ�!
�ア、フィリップス、ネスレ、ダノンなどのヨーロッパ勢は中国市場で大いに成功を収めています日本企業が本来の実力を発揮できていない要因の一つとして、「中国は日本のお隣の国」という心理から発する「日本からの類推に頼る傾向」を指摘したいと思います。確かに中国は地理的に近く、人種や文化も相当程度日本に似ており、何となく日本の延長として捉えてしまうのもわからなくもありません。しかし「改革開放」政策をとって30年の中国市場は日本人が考えるよりはるかにグローバル化されています。グローバルブランドと中国ブランドがグローバルビジネスの競争ルールの中で戦っているのが中国です。
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